名古屋弁について考えを巡らせてみた、図書館の本棚の間で

この日も図書館で何気なしに面白い本ないかなーとふらふらしていた。そしたら、名古屋弁についての本があったので、愛知県出身の私は手に取らないわけにはいかなかった。15年ほど前に関西に来たので、残念ながらもう名古屋弁を話すことはできない。だが、私の両親は現役名古屋弁話者である。

 

関西に来たばかりのころ、関西弁と関西の人が怖くて怖くてしょうがなかった。普通の可愛らしい女の子までが、なんかヤカラ風というか、ガラが悪いというか、なんというか。話に落ちがないのも怒られるし、普通にしゃべればいいのに突っ込まれるし。この子たちなんなの?としょっちゅう思っていた。

 

名古屋弁にかんしてよくある話としては、語尾は「じゃんだらりん」で、「えびふりゃー」は言わないし、鉛筆の先はもちろん「ときんときん」にしておくべきもの。「とっきんとっきん」でも可。それから休み時間は「放課」で、自動車教習所は「車校」で、自転車はチャリではなく「ケッタ」。

 

わたしがついハッとさせられたのは、「しゃびしゃび」。そういえば久しぶりに聞いた(見た)言葉だが、これが方言だということに図書館の本棚の間でうろたえる私。全国で通じないんすか、しゃびしゃび。中学生の時に行ったキャンプで作ったカレーが水を入れすぎてしゃびしゃびになったことを思い出す。

 

夫は関西育ちなので、私の実家に一緒に行くと、話している言葉がおもしろくてしゃーないらしい。何度か聞いたのち、エセ名古屋弁を操れるようになった夫は、私の両親の話す真似をよくしている。私の父と母が名古屋弁で会話しているのを一人芝居するのだ。侮辱以外の何物でもない。

 

小さいころ、母は私としゃべる時と、祖母としゃべる時と、話し方を変えていた。子供ながらに、祖母としゃべる時は方言で話し、私としゃべる時は大きくなった時に恥ずかしくないように標準語にしてるんだな、と思ったものだ。

 

今分かるのは、それが全くもって標準ではなかったということ。私としゃべる時は方言レベル7に対し、祖母としゃべる時は方言レベルMAXなだけであった。

 

それから、愛知県出身の人間は出身地を聞かれると、「名古屋」というと書いてあったが、本当だろうか。ちなみに私は名古屋出身と言う。名古屋ではない愛知県のどこか出身だけれども。

 

愛知県と言っても、愛媛県と間違えられるわ、「名古屋」は知られていても「愛知」と結びつかないわで、説明がめんどくさいのだ、悲しいけれど。

 

ちなみに、名古屋弁話者ならすらすらと言えるという下記の早口言葉、私は当たり前に言えなかった。ええねん。私はエセ関西弁を使って生きていくんやから。ところで、名古屋弁話せる人はほんとにこれ言えるの?

 

「キットカット買っとかんといかんかったのにあんたが買っとかんかったでいかんかったんだわ」