情緒不安定な妻と鶏つくねのお話

ここのところ情緒不安定である。思春期真っ只中のティーネイジャーでも、更年期でもないはずなので、原因はわからない。天気のせいか、わがままに育ってきたせいか。夫が甘やかすのもよくないと思う。ほらだって私、つけあがるから。

 

ついさっきまで夫がペネロペ・クルスのことをなぜか英語風にペネロピ、ペネロピ言うのにきゃっきゃ喜んでいたと思いきや、次の瞬間、夫がキャベツ入りのスープを作るというのがなんとなく気に食わず、不機嫌になったりして、感情の起伏が大変激しい。作ってもらっときながら文句つけるとは何様、と自分でも思うが、情緒不安定なのでいつもに増して、どこに「不機嫌」のスイッチが潜んでいるか分からないところが、ものすごくエキサイティング。

 

「茹でられたキャベツは好きじゃない」と、その場しのぎで作り上げられた好き嫌いに夫は戸惑いを隠せない。先日も「昔、鍋にエノキ入れたら嫌いって言ってたのに最近よく買ってくるよな」と夫に言われたばかりである。エノキに対して別に好きも嫌いもない。たぶんその時も今回のように、何かが気に食わなくて適当に言っただけだろう。キャベツもまた、エノキと同じ運命を辿ってしまうのか・・・。

 

だがその日の夫は運を味方につけていた。肉屋の「鶏つくね」を買っていたのだ。鶏つくねは好きだ。ただのキャベツ入りスープだったら、私の不機嫌は解消されることはなく、情緒不安定にさらに拍車がかかっていただろうが、鶏つくねのおかげで、ただのキャベツ入りスープが鶏つくねとキャベツ入りスープになり、夫は危機から救われたのであった。めでたしめでたし。 (どの口が言う)。

 

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噂の鶏つくねとキャベツのスープ(ニンジンと玉ねぎ入り)