キス職人

椅子の上に立って棚の上にしまっていたハンガーをとって椅子から降りようとしたら、スクワットのせいで筋肉痛の太ももが突然言うことを聞かなくなり、なかなか派手に椅子から落ちた。どれくらい派手だったかというと、階下の住人が地震だと勘違いするくらいの衝撃とともに、床は脇に抱えていたハンガーが突き刺ささり、えぐれてボコボコになるくらい派手。すごいだろう。

 

仕事中の夫にお詫びの連絡を入れたところ「床のことはショックだけど気にすんな」とだけ返事がきた。確かに豊富な脂肪に守られているおかげで大事には至らなかったが、せめて「大丈夫?」などの私を気遣う言葉の一つ二つくらいは欲しかった、と思うのは欲しがりすぎでしょうか。

 

フローリング補修のDIYについて調べたところ、「キズ職人」という道具の存在を知る。そこでキズ職人がどれほど人気なのかについて調査するためインスタグラムを開いたところ、韓流俳優がキスをしている画像や動画がずらずらと出てきたので「キズ職人」という名のけったいなドラマでもあるのかと怪訝に思ったら「キス職人」と検索していただけであった。

 

確かに私は今弱っているが、かといって私が今求めているのはキス職人ではなくキズ職人・・・。うなだれながらそっとインスタグラムを閉じた。でも職人といわれるからにはきっととんでもないキスをするのだろう。気になって仕方がない。ついでにボコボコになった床も直してくれればいう事なしだ。

 

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