十二月の本
2019年もいよいよ終わり、と気を抜いていたら思いっきり風邪を引く。昨夜は高熱に苦しんだ。正直今もふらふらしている。年々風邪の治りが遅くなっている気がするのだが、加齢のせいだろうか。あ、2019年はありがとうございました。
①ブルックリンの少女/ギヨーム・ミュッソ
フランス発のミステリー小説。婚約者に過去の事をしつこく聞いたら「ある写真」を見せられ、そして彼女は失踪。友人の元警察官の力を借りて彼女を探し出そうとするが、ただの失踪事件から過去と現在をまたぐ複数の事件と謎が複雑に絡み合い、舞台も南仏からはじまり、パリ、ニューヨーク、アメリカ中西部へと目まぐるしく移る。
ページをめくるたびに謎が解明されたかと思ったら新たな謎が生まれ、状況はますます悲惨になり、もう誰を信用したらいいのかも分からなくなってくる。最後には想像していなかった結末が・・・。
チンタラした小説なんか読んでられるかい!というスピーディーな読書経験がしたいせっかちな方におすすめ。
②氷姫 エリカ&パトリック事件簿/カミラ・レックバリ
スウェーデン発ミステリー。主人公の作家エリカは子供の頃の親友の死体を発見する。かつての親友の死を解明しようとする中で親友を巡る悲しい過去が徐々に明らかになっていく。素人探偵系ミステリーにありがちな主人公が好奇心旺盛すぎて、入ったらいけないところに入る、警察にかかわるなと言われても言う事を聞かないあたりが読んでいておもしろい。ダメって言われたらそりゃやりたくなりますよね。
シリーズ名にもなっている通り、エリカと刑事パトリックの今後も気になるところ。
ブルックリンの少女とは打って変わって、じっくり小説を楽しみたい方におすすめ。
③カササギ殺人事件
出版社の編集者スーザンは、担当している人気作家の新しいミステリ小説の原稿を読むのだが、最後の謎解きのシーンがごっそり抜けていた。消えた小説の結末、現実世界で起きる「ある出来事」を追いはじめたスーザンは自ら探偵役となり事件の真相に迫っていく。
イギリスの人気刑事ドラマを手掛けていた作者だけあって、アガサ・クリスティのオマージュだけではなく所々に散りばめられたミステリドラマや小説について例え話などで出てくるところなど、ミステリファンが喜ぶこと間違いない内容になっている。
一冊の小説で二つ楽しみたい、欲張りな方におすすめ。