九月の本

九月もミステリー小説オンリー。いつの間にか小説内で誰かが死なないと満足できないようになってしまったのかもしれない・・・。

 

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①幻惑の死と使途/森博嗣

S&Mシリーズ6作目。天才奇術師が殺される。消える死体、第二の殺人を解明すべく萌絵と犀川先生が立ち向かう。目次を見ると、なんと奇数章しかない。7作目の「夏のレプリカ」は偶数章しかない。二つの事件は同時期に起こり、それぞれの事件がそれぞれの本になっている。時系列に読みたい人は、6作目の一章→7作目の二章→6作目の三章のように、二作を交互に読むのもおすすめらしい。ちなみに、ということもないが、解説はイリュージョニストのプリンセス天功。

 

②ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ/A.J. フィン

「ゴーン・ガール」みたいな心理スリラーとの触れ込みで読んだが、猟奇な女グランプリがあったら間違いなくゴーン・ガールのエイミー。でも小説全体に流れる不穏な空気に、ページをめくる手がとまらない。そんなことより何が興味深いって、作者のA・J・フィン(本名:ダン・マロリー)の過去が嘘・ねつ造・詐称のオンパレードだったということ。母や兄弟が死んでるとか、ガンになって奇跡的に治ったとか、オックスフォードの博士号持ってるとか、全部嘘。事実は小説よりも奇なり。

 

小説の詳しい事はこちら↓

www.hayakawabooks.com

 

③紐と十字架/イアン・ランキン

スコットランド舞台の小説が読みたくて借りた一冊。主人公リーバス部長刑事の壮絶な過去、娘のサミー、孤独。いろんな事が次々起こって話の展開は早いし、リーバスの過去は興味深いし、これからが楽しみになる一冊。

 

④緑衣の女/アーナルデュル・インドリダソン

先月に続き、エーレンデュル警部シリーズ。発見されたある骨をめぐる悲しい過去の話。この素晴らしい本の唯一の欠点は、図書館の本には背表紙に貼られている請求記号ラベルが「ア●ル」となっているところ。ラベルを見ながら探すときに「ア●ル、ア●ル・・・」と心の中で唱えてはいけないと思いつつも唱えてしまう・・・。アーナルデュルさんだからしょうがないんだけれども、なんだかなあ・・・。