明日やろうは馬鹿野郎

この世には経験や失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないように努力する人間と、失敗を失敗と思わず、記憶から一瞬のうちにその出来事をなかったことにしてのうのうとその時を生きている人間がいる。私の夫は後者である。そして、堂々たる明日やろうは馬鹿野郎ぶりを日々見せつけてくれる。

 

ファンタスティックビーストが公開された。私たちは夫の試験が終わってから見に行こうと計画を立てていた。同じ日に、夫がどうにかして入手した、かに道楽の食事券を使うべく、かに道楽でランチを食べることにしていた。

 

その食事券には「要予約」と書いてるので、夫に再三「予約してね」と頼んでいた。ここでお前がやったらええやん、と思ったそこのあなた。それは遠くの方に置いておいてくれ。今注目すべきなのは、私が夫に再三頼んだという部分である。そしてそのたびに「分かった」と言って、右から左に流していた男に注目してほしい。

 

試験が終わる翌日に映画とかに道楽に行くことにした。Xデーが数日後にせまり、いい加減予約しろや、と半分キレながら夫に言った。夫はここにきて「予約いる?」とぬかした。だから!食事券に要予約と書いているだろうが!!と、私は一瞬のうちに半ギレ状態から完ギレ状態になった。

 

夫がかに道楽なんか予約せんでもいけるわ、となめてかかっていたがために、案の定行く予定の日に予約がとれなかった。かに道楽なめとったらあかん、お年寄りや外国人にめっちゃ人気なんやで。かに道楽に土下座しろ。私はたまらず夫に「去ね」と言い放った。

 

この日のことを楽しみに夫を支え、日々の家事に切磋琢磨してきたのにこの仕打ち。私の事をなんだと思っているのだろうか、この男は。私は家政婦ではない。試験が終わってからもスクリーンタイムの管理はしばらくの間私に任せていただくこととした。

 

いつもこうだ。先日京都へ紅葉を見に行った日も、かなり前から行く日を決めていたのに行きたかったレストランの予約をしていなかった。10年ほど前の私の誕生日も予約していなかったがために、私以外の誕生日の人の元へケーキが運ばれていった。私の誕生日はいつだって同じ日だのに!

 

 

もちろん別の日に予約はとれた。「でも、個室とってくれたで」って、「でも」じゃねえし、っていうか文法おかしいし、さらには個室とかどうでもいい!映画が早く見たかったんだよ、私は。でも二日に分けて行くのも化粧するのがめんどくさいんだよ、私は!

 

ということで、映画を見るのはもう少しおあずけです。つらいです。