ぺぺたま

まずいものでお腹を膨らませることほど気分の悪いものはない。「ぺぺたま」という料理をご存知だろうか。ペペロンチーノとカルボナーラを合体させたようなパスタで、それをいとも簡単に作っている動画を夫が見つけてしまったので、作るしかなくなった。

 

そもそもペペロンチーノというのは作るのが難しい。そこで別のペペロンチーノに特化した動画を見てみると「とりあえず麺を茹でる時に塩をたっぷり入れろ、味噌汁よりもちょっとしょっぱいくらいたんまり入れろ」と言うので、これでもかと塩を入れることに。

 

そうして出来上がったぺぺたま。にんにくの香りがなんとも食欲をそそるぺぺたまを目の前に私と夫の食欲は最高潮である。まずは夫が一口。夫は美味しさのあまりなのか笑い出し、私に一口を促す。

 

一口食べて夫の笑いが美味しさからくるものではないことを知る。しょっぱい。塩を食べているのではないかと錯覚するくらいのしょっぱさに、丈夫な私の胃もさすがにビックリしたようだ。

 

食べ物を残すことに抵抗のあるので、どうにかしょっぱさを抑える方法はないかと調べてみたが、出てくるのはパスタを洗えとかそんなものばかり。完成したパスタをどうこうする策を見つけることはできなかった。

 

美味しいぺぺたまを作れなかった悔しさと食べ物を無駄にせざるを得ないという悲しさで、私はしょっぱさを甘さでカバーするかのようにアイスをむさぼり、夫は訳も分からずカップ焼きそばを食べ「これも全然美味しくない」と更に悲しんでいた。

 

「明日リベンジしよう!」と誓い合った私たちであったが、翌日、示し合わせたかのようにぺぺたまのことを一切話題にせず、お腹にやさしい雑炊を食べることで一致したことで、私たちがどれほどのダメージを受けたのかはお分かりいただけることと思う。稀代のまずさだった。

 

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ぺぺたま…リベンジする日は来るのだろうか…