夫の断捨離

最近夫が断捨離にハマっている。それはもうすごいハマりようで、カビの生えたブーツを捨て、中がモロモロになっているブーツ二足を捨て、筋肉が巨大化して着れなくなった服をメルカリで売りまくり、ゴルフを始めたいという会社の後輩にゴルフクラブ一式を一万円の破格で売りつけ(不要なスポーツウェア付き)、引っ越しするという別の後輩に天井照明を無料で引き取ってもらった(不要な加湿器付き)。

 

捨てるだけではなく、何かにお金を使うにも非常に慎重になっており、私が何かを買うたびに目のふちをピクピクさせているので、買うなとは言わないが買うなよ、と思っている夫の本心が見えて面白い。

 

この前は日傘を買ったのだが、届いた時に「またなんか買ったん!!?」と嫌味を言われるのもアレなので事前に伝えることにした。

「私が色白の方がいいって言ってたよね?」

「うん…今度は何したん?」

「日傘買った」

「…なんぼしたん?」

「うーん、一万円くらいかなあ?」

「『くらい』ってほんとはなんぼしたん?」

「11800円かなあ」

「11800円!?日傘に!!ひゃー!!」

「買う前に言おうと思ったけど昼寝してたから言うの今になっちゃった。別にいいよね?」

「…い、いいよ(小声)(目ピクピク)」

 

気に入らなかったみたい。でも時すでに遅し。 

 

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新しい日傘最高

日暮れの散歩

日が暮れてから日課の散歩に出かける。この日課がなかったら、四月の緊急事態宣言以降、スーパーと図書館と整体に出かける以外にほとんど出歩かない生活を送っている私はきっと肉まんじゅうになり、そして身体の節々や筋肉が痛いと文句ばっかり言っていたことだろう。

 

肉まんじゅう回避のためにその日も張り切って歩いていると、なんだか靴の裏がぐにゅぐにゅする感覚がすることに気づく。アレか。また犬のアレを踏んずけてしまったか、私。

 

おそるおそる靴の裏を見ると、そこにあったのはアレではなく、ガムらしきべちょべちょした物体なのだった。アレよりは全然マシであるが、なんで私はこうもいろんなものを踏むのか。

 

幾度もアレを踏んだ私であるから、その経験から学んでいないわけはもちろんない。普通の人よりも下を見て注意して歩いているのである。それはもう、祖母が元気だったら「そんな下ばっかり見て!お金が落ちてるのかね!卑しい子だねえ!」と怒られ、その祖母の言動に「私の子供にそういうことを言うな!」と母が怒り、母娘喧嘩が勃発し、自分のせいで喧嘩を始めた祖母と母を目の前に居場所がなくてどこかに逃げたくなるくらい、下を見て歩いている。

 

なのに、である。とはいえ、今回はガムであったのでそこまで取り乱すことなく家に帰り、ガムをとろうとよく靴の裏を見ると、そこにへばりついていたのは黒ごま。そしてぐにゅぐにゅの犯人は米粒。そう、私が踏んだのは黒ごまおにぎりなのだった。

 

誰だよ、歩道で黒ごまおにぎり食べようとして落としてそこに放置したのは。ああ、憎い。アレじゃないから許されるわけじゃないからな。

 

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こんなものばっかり食べてるから肉まんじゅうになるんだぞ、というご意見は受け付けておりません。

 

深夜の図星

ワタクシには寝る前にやらなければならない儀式のようなものがありまして。ヨガとかキャンドルとか瞑想とかそんな優雅なものではなく、家中の戸締りを三回ずつチェックしたりとか、冷蔵庫の扉が閉まっているかどうか見たりとか、そういう差し迫ったものである。

 

昨夜、いつものように儀式を行っていたところ、一巡目で玄関ドアの鍵が夕方の散歩以降閉まっていなかったことが発覚。失神するかと思った。すぐさま「鍵閉めてへんやん!!散歩から帰ってから殺人鬼や泥棒が自由に侵入できる空間になってたやん!どういうこと!??」と夫を責めると「俺ちゃうやん、最後に入ったのお前やもん」とスマホでゲームしながら言うのであった。

 

言い返されて黙っているモモコではない。「世帯主誰?この家の名義人誰?あなたでしょうが!!!!」と深夜に雄叫びをあげる。以前であればこのような理不尽に責められては不承不承謝っていた夫であるが、十年以上狂った人間と連れ添っていると本来温厚な人間も変わるもので、意味不明に責められて怯むようなことはもはやない。そして今度は私の目をしっかり見て夫は言った。

 

「さぞかし生きにくかったやろうなあ、特に学生時代。そんな変人で。」

 

ああそうさ、生きにくかったさ、「三人グループ作ってー」と先生が指示するたびにどこかに隠れたかったさ。だから何さ。そんな変人と結婚したアンタはどうなのさ。え?変人と結婚するなんて変人のすることと思わんか?

 

その後は粛々と残りの儀式を執り行い、本を読んで寝た。

 

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最近食べたおいしいもの

 

333日と一粒

体調について特に何かを訴えていたわけでもないのに、サプリや粉が大好きな夫がサプリを買ってくれた。しかも1000粒。一日三粒。単純計算すれば333日と一粒で飲み終わるが、サプリを飲み慣れていない人間からするとそんな最短日数で飲み終わるはずがない。

 

実際に届いて一週間ほど経つが、一日に一粒も飲まない日もあるし、真面目に飲んでも一日二粒。三粒飲んだ日は一日としてない。初めからこの調子である。飲み終わるまでに腐ると思う。

 

サプリの何が嫌って、一粒のサイズが巨人用か?と思うほどでかく、飲み込みにくい。昨日なんて全然飲み込めず、300mlくらいの水を飲みつつようやく飲み込めた。お腹たぷたぷである。

 

次に、げっぷをすると焼き魚のにおいが上がってくること。はじめは錯覚に襲われた。「あれ?私今日の晩ご飯焼き魚だったっけ?」そんなわけはもちろんなく、サプリのせいである。魚を食べていないのに魚のにおいが上がって来ることほど嫌なものはない。

 

最後に、サプリの入れ物である。別にかわいい必要はないが、1000粒入る入れ物というと必然的に大きくなる。置く場所も簡単にはいかない。というわけでキッチンの暗がりの床に置いているのだが、そこにしゃがんでサプリ一粒を取り出すわけだ。その様はさながら妖怪・小豆洗いである。

 

一週間あれば、本来なら21粒消費していることになるが、たぶん10粒くらいしかなくなっていないと思う。いつまでこの生活を続けないといけないのか。いまのところ一年以上は確定だ。二年いきそうな気もするが、サプリの品質に問題はないのだろうか。

 

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朝食にミックスベリーバナナスムージーなるものを作ってみました。

 

寝不足でも大丈夫

ここのところ寝不足である。原因は夜遅くまでスマホをいじっているからなので、それをやめればすぐに解消されるのであるが、悪習というのはなかなかやめられない。さらに、寝不足になると自然と「疲れて病んでいる」という風に脳内変換されるらしく、ただ自分の不摂生のせいで寝不足なだけであるのに若干病んでいるような気もしてくるので、自分で言うのもなんだが非常にたちが悪い。

 

昨夜は「今日こそは早く寝るぞ」と意気込んだはずが、気がついたら二時間余り米兵が帰還して家族と再会する動画をはじめとする様々な心揺すぶられる動画を見続け、涙が止まらなくなり、今日は目がパンパンに腫れている。

 

寝不足だからといって、仕事に支障が出ることは決してないのでご安心を。なぜなら先週から仕事が一切舞い込んでこないから。仕事がないこと自体は一時的なことだからいいとして、毎日行うミーティングという名の寂しがりの社長を慰める会で、今日は何をやったかと報告しないといけないのが非常につらい。何も報告することがありません、とはさすがに言いづらいので何かしら作り話をこしらえないといけないが、ネタ切れである。今日は最近導入した電話転送アプリが順調に使えています、という話を何とかひねりだした。

 

明日はどんな作り話を用意しようか。アイデア絶賛募集中。

 

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アンタ不幸になるだけやで

夫がしきりに「桐谷美玲に会ってみたいわ~」とうるさいので、ついに言ってしまったのである。「アンタ不幸になるだけやで」と。

 

桐谷美玲だけじゃないが、女性芸能人というのは小枝みたいに細くてげんこつ並みに顔が小さくて、かわいい。しかも「かわいい」のレベルが並みじゃなくて、普段街中ですれ違うそこらへんの女のコなんかよりもとんでもなく高いのである。ようするにもはや違う生物なのである。

 

ということはどういうことか。桐谷美玲を実際に見てかわいいな、と思うのは当然であるが、その後現実に引き戻されたらそこにいるのはモモコ。モモコを見て、イラっとするのである。「何だこの差は」と。桐谷美玲はあんなに細くて顔が小さくてかわいいのに、何でモモコは太くて顔がでかくて、なんか変なのかと。

 

イライラされてもどうしようもない。モモコはモモコであり、どんなけ太かろうが顔がでかかろうが変だろうが、それが現実なのだから。夫が惨めな思いするだけなのである。

 

だから桐谷美玲に会ったってアンタ不幸になるだけなんやで、と私は言ったのである。夫は妙に納得していた。これで夫は無駄な願望抱くことなく幸せな日々を送れるのである。

 

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四ヶ月で女優に

春に髪の毛をバッサリ切ったとき、私は「普通にラッセンが好き~」の芸人になったのであったが、あの後少々短くし、そしてこの度さらに短くなって、人生初めてのショートカットになった。

 

「さらに短くしてもいいです」と言ったのは私で、それは今切ってもらっている美容師さんを信用してのことだが、鏡越しにめちゃめちゃ短く切られていくおのれの髪を見て、もしかしたら私の顔が引きつっていたのかもしれない。

 

髪の毛を乾かして、セットしてくれている間、美容師さんは一生懸命この髪型がいかに素晴らしいかを説明してくれ、最終的に「長澤まさみをイメージしてみました」(大意)と言った。

 

長澤まさみ風にしてみた、と言われたところでそれがどういう状態なのか全くピンとこない。家に帰って夫にも聞いてみても同様にピンと来ないよう、どころか大笑いしだした。普段なら怒って薄毛を気にしている夫の髪を掴むところだが、大笑いする夫の気持ちもよく分かる。だって長澤まさみって。

 

そこで二人して「長澤まさみ ショートヘア」とググってみたら、なんとなく美容師さんの言わんとしていることが分かったような気がしないでもない。確かに限りなく目を細めて、顔は見ないようにして髪の毛だけを遠目に見たらそう見えなくもない・・・か?

 

春には芸人になった私であったが、たった四ヶ月で女優になれるとは。髪の毛の威力はすごい。

 

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