私を泣かせてくれ

なんだか泣きたい気分。情緒不安定な人間には頻繁にそういう気分の時がやってくるものである。涙には浄化作用があると巷では言うので、泣きたい時用の映画を常備しているのだが、映画の気分じゃない日もあったりする。

 

何の悩みもなさそうにソファに寝そべっている夫に尋ねた。「スラムダンクで一番感動するシーンって何?」

 

夫は間髪入れずに答えてくれた。「それはもう、みっちゃんが安西先生に戻ってきたいって泣くシーンや」

 

なぜスラムダンクなのかは私にも分からない。ふと思いついたのだ。でも感動のみっちゃんシーンの概要を聞いたその時、何が何でも読んで涙を流してやると強く心に思った。だからまさかスラムダンクが全巻揃っていないとは思いもしなかった。

 

私がどんな精神状態なのかを夫は知る由もなく、質問に答えただけなので非はないのだが、夫が憎い。なぜ全巻揃えていないのか。

 

しかし、ないものはしょうがないので、感動のみっちゃんシーンがあることを願いつつ、そのシーンをめがけてページをめくる。早く泣きたい。みっちゃんが出てきた。ああ、前歯がない。

 

これから喧嘩しそうというところでその巻は終わった。そしてその後の巻は、うちにはない。悔し涙以外も流せるようになった私であるが、この日ばかりは悔し涙を流した。涙を流したのは流したのだが、この日流す予定だったのは悔し涙ではないので、なんだか消化不良で気持ち悪いので、とりあえず寝ようと思います。

 

f:id:momosjournal:20190612165545j:plain

十中八九、この後が泣けるシーンやねん