合体して巨大

夫は、筋肉ムキムキの男の人の乳首を見て、ステロイドユーザーか非ステロイドユーザーか見極めることを得意としている。

 

数ある筋トレ動画、筋肉マッチョの写真を見てきた夫は、瞬時に「はい、ステロイド使ってる」「使ってない」「どう見てもステロイド」「使ってそうやけど使ってない」という具合に言い当てられる。

 

この特技がすごいのかどうかは分からない。たぶんすごくはない。そしてはっきり言ってどうでもいい、否、気持ち悪いと言って差し支えないかもしれない。

 

夫曰く、ステロイドを使っている乳首はピンと立っているからすぐに分かるらしいのだ。そんなに人の体を、しかも乳首という大変プライベートな部分を凝視していいものなのか、おそらくよくはないと思うのだが、そんなことは夫には関係ない。

 

そんな乳首に一過言ある夫が、ある日風呂場で叫んだのである。「大変!見て!!」何事かと思い、まさか虫でも出たのかと急いで風呂場へ向かうと、そこには悲壮な顔をして、乳首を指差して見てとのごとく、生まれたままの姿で夫が立ちすくんでいた。

 

「お、おおお、俺の乳首でかなってない!?なんかが、ががが合体(?)して巨大乳首になってる!ほら!!」

 

「合体」の意味も分からなければ、「ほら」と言われましても、夫の乳首など最近は凝視していないので、夫の乳首が本来どんな風貌だったのか思い出せなくて大変困った。「でかくないよ、前と一緒の乳首だよ」と一応励ましたが、早くTシャツ着ろと言っても聞く耳を持たず、寝るまで乳首を見下ろしては落ち込んでいた。

 

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夫の合体してでかくなったらしい乳首を世間に晒すことは忍びないので、溝で落ち着いていた猫をお届け。