ねつ造された約束

最近の夫は物忘れが激しい。数日前、アサリの味噌汁が飲みたいからスーパー行こうというのでスーパーに行ったら、「何買いに来たんだっけ・・・?」と言い出し、アサリが苦手の私からしたら別にアサリの味噌汁なんて飲みたくないので、ハンバーグの材料を買いに来たと嘘をつく事もできたが、正直に「アサリを買いに来たんでしょ」と教えてあげたほどすぐに忘れる。毎日暑すぎて疲れているらしい。

 

だから今がチャンスだと思った。俺が先に死んだらどうするという質問には「先に死ぬと分かった時点で私を殺す約束をしたんだから、死ぬと分かった時点でさっさと私を殺して」と答え、次の旅行先はどこにするという質問には「毎年ヨーロッパに連れてってくれるって約束したんだから、次はストックホルムでしょ」と答え、今度の休みは墓参りついでに実家に行ってくると言い出した時には「実家とは縁切ったからもう二度と行かないって約束したんだから、行くのおかしいでしょ」と返した。

 

残念ながら、今はまだ私がねつ造しようとしている「約束」の数々が嘘であると認識しているが、「約束」をあたかも真実であるかのように言い続けていれば、物忘れが激しい夫が真実だと思い始める日がやってくるはずなのである。その日が来るまで私は諦めない。

 

だが、先に殺してと言い、ヨーロッパへ連れていけと言い、実家と縁を切ってと詰め寄る嫁・・・。夫が「約束」を真実だと思い始める日は来ないと私が諦める日が早いか、狂った嫁には付き合ってられん、と夫に見限られる日が早いか・・・。神のみぞ知る。

 

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とりあえず色々あやふやする為にバナナパウンドケーキを焼きました。