夫の冷徹

朝から具合が悪い。世間はお盆休みで湧いている中、休日出勤する夫の為に7時前に起きたのだが、頭はふらふらするし、胸はむかむかする。昨日のアサリのせいか。それとも私は死ぬのか。そんな状態でも、私は夫の為に朝ごはんとお弁当を用意せねばならない。

 

夫を駅まで送るのも恒例なので、顔を洗おうと洗面台にかがむと、本当に倒れそうなので、夫が朝ごはんを食べている横の床に横たわった。具合の悪い私の為に仕事を休んでくれるかな、と多少期待したが「嫁が具合が悪くなっていちいち休むような旦那やったら嫌やろ。お前が病気になった時の薬代を稼ぎに行くとでも思ってくれ」と吐き捨てて仕事に行った。アンタは鬼か。

 

太っていることと、万年肩こりであることと、油断すると病みがちであること以外には私は基本的に健康であるので、そんな人間からすると「具合が悪くなる」ことは「死」を意味している。

 

だから実際に、「仕事から帰ってきて私が死んで冷たくなってても知らないよ」と夫に訴えかけたが、夫はもう慣れているので「クーラーの当たりすぎで冷えてるだけやろ。ベランダに置いてぬくめたるわ」と全く相手にしてもらえない。本当に鬼なのか。

 

具合が悪いことに真実味を持たせる為には証拠が必要だと思い、熱を測ることにした。すると36.8度だったので、ある時病院で熱を測ったら34.8度をたたき出し、どういう生活をしているとこういう体温になるのか、と医者に真面目に質問されたことがあるくらい体温が低い私にとっては、立派に熱を出している状態と言える。

 

それを写真にとって夫に送ったところ、既読スルー。なんと。私の具合の悪いという訴えがここまで夫に響かないとは・・・。やっぱり夫は鬼なのかもしれない。私は鬼の妻。もしかすると、夫は鬼灯様(漫画『鬼灯の冷徹』に主人公の鬼)よりも冷徹かもしれない。

 

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夫は無類の猫好きおじさんなので、私が具合が悪くても決して仕事は休まないが、猫が具合悪くなったら仕事休むかもしれない。なぜ私は猫じゃないのか。