唐揚げマジック

ここ数日、無性に大量の唐揚げが食べたい気分だった。とりあえず際限なく唐揚げが食べたい。

 

しかし我が家では、揚げ物をした後の掃除や、油が腕や顔にかかるのではないかという恐怖、残った油をどうするかという難題があることを考慮して、揚げ物禁止令が誰でもない私によって出されているので、揚げ物はしてはならない。

  

揚げられないのなら買えばいいのだが、唐揚げは貴重な食べ物でも何でもないくせに、大多数の人間が大体唐揚げが好きであるがために、高い値段設定になっている。大量につけられた衣や皮で大きく見えているだけであって、実際の身はほんのちょっぴりという唐揚げ五個に398円(税抜き)。胸肉が使われていることだってある。唐揚げっていったらもも肉だろうが。高くても売れるという売る側の策略に客はまんまと踊らされているのである。

 

だから解禁することにしたのだ。こうなったら揚げてやる。もう、値段に見合わない唐揚げを買って、売る側を喜ばすことはやめるのだ。そして大量の唐揚げを作り、際限なく食べてやるのだ。

 

そう覚悟を決めてスーパーに行くと、運よく鶏もも肉が安い日であった。幸先が大変よろしい。そして家に帰り、肉に味をつけ、衣をつけ、揚げた。総勢三十個ほどの唐揚げを上げた。想像していたよりもスムーズに揚げられたので、拍子抜けしてしまう。今まで私は何を恐れていたのか。

 

 f:id:momosjournal:20190903180629j:plain

 

揚げたての唐揚げ。大きく見せるための偽りの衣や皮はついていない、正真正銘の鶏もも肉の唐揚げ。どんなけでも食べられてしまいそうな唐揚げ。だが、二、三個食べて気づいてしまった。重い。美味しいけど、重い。

 

結局、四個が限界だった。そして残ったのは油の後始末と、コンロ周りは言うまでもなく、床にまで飛び散った油の掃除と大量の唐揚げ。おまけに腹痛。からのニキビ。唐揚げを作ってよかったか、と聞かれれば作ってよかったが、クソ面倒な後片付け・腹痛・ニキビがもれなくついてくることも含めてよかったか、と聞かれれば、全然よくないと答えると思います。