狂気の沙汰

夫の為にエナジードリンクを買ったら、注文数を間違えて届いた120本のエナジードリンク。徐々に消化していってはいるものの、まだ二箱分くらい残っており、段ボールによからぬ虫が湧くんじゃないか、そしてその虫に服やら本やらがやられてしまうんじゃないか、という妄想に侵され始めて数週間。

 

一回悩み始めると、とことん悩むという非常に厄介な人間なので、ここ一週間ほどは特に悩みすぎてハゲそうというか、どうにかなってしまう瀬戸際であった。例えば、深夜に虫に殺られる夢を見て起きるので、エナジードリンクを置いている隣室にペタペタ歩いて行き、虫が活動していないか確認したりして、夫を呆れさせたりしていたのである。こういうのをキ○ガ○とかビョ○キいうんですって。そんな行き過ぎた私の行動が功を奏し、夫がレンタカーまでしてワゴンを買う為にイケアに連れて行ってくれた。

 

着いた途端にお腹が空いて、買い物どころではないので、とりあえずランチを食べることに。夫は飢餓状態になると判断力がおかしくなる傾向にあるのだが、この日はいつも以上であった。ザリガニを見つけてしまったのだ。食に貪欲な夫が食べた事のない、ザリガニ。これを食べずして死ねるか、ということらしいのだが、全然死ねますので食べないでもらっていいですか。

 

夫がザリガニを食べるのは夫の自由、と自分を言い聞かせ了承したのだが、結果全然よくなかった。だってザリガニのくせに値段は高いし、夫ひとりで食えばいいのに、私に一緒に食べることを強要するのである。いらない、と拒否する私の口にザリガニを押し付ける夫の姿は大変生き生きとしていたと思う。

 

ザリガニを目の前で食べられるのは、想像以上にキツかった。なんというか、サバイバル感?おいしく食べる為に、YouTubeでザリガニの食べ方を調べろというので、動画を見ながらザリガニを食す会が始まった。

 

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まず、ハサミ部分というか腕部分をポキっと折って身を食う。次に、頭部分と胴体部分を大胆にちぎり離し、身やミソみたいなものを食う。最後に、身と殻部分をえいやっと引き剥がして、身を食う。

 

上で述べた一つ一つの行為がが何とも痛そうで、かわいそうなのである。食べ物に対して、このような感情を抱くのは初めてのことである。カニやエビに対してこんな風には思わない。ただただ美味いと思う。この違いはどこから生まれてくるのか、最後まで分からなかった。

 

とりあえず、夫がザリガニを食らう様子は狂気の沙汰で、大変グロかったので、私は食欲がなくなりました。周りの目も痛かったです。それが夫にとっては快感だったことは言うまでもありません。