ああ、秋


仕事から帰り、ベランダに干していた洗濯物を取り込もうとしましたら、ベランダに出た瞬間に壁にとまっていたカメムシを発見、そして目がバッチリあいました。カメムシの季節の到来です。

 

こういう場合、パニックを起こして大声をあげそうになりますが、隣近所に迷惑なので、そこは深呼吸をして一旦気を落ち着かせます。そして、壁についたカメムシから目を離さず、なおかつ洗濯物に別のカメムシがついていないかを時間をかけて丹念に確認しなければなりません。ついていなかったら、洗濯物についていなかっただけ、運がよかったと思わなければなりません。

 

そして記念に写真を撮り「今すぐ帰ってきて、殺って」と夫にメッセージを送ります。一刻も早く帰ってきて退治しないことには、カメムシがどこに移動したか分からなくなります。一分一秒を争うのです。

 

 f:id:momosjournal:20190913110423j:plain

 

ですが、カメムシと私ごときに仕事を早く切り上げて帰って来るような夫ではありません。夫は社畜ですからね。それでも心なしかいつもより早く帰ってきた夫に、「ご飯と風呂とモモコ、どれにするう?」などと一息をつかせる間もなく、ベランダに直行させ、退治してもらいます。今はご飯よりも風呂よりもモモコよりも優先すべきはカメムシです。

 

この時、私が大変驚きましたのは、夫が素手で、キッチンペーパー越しにカメムシをすり潰したことです。なんかこう、ビニール手袋つけたりしないのですか。カメムシの体液が手についたらどうする気なんですか。確かに殺して、と言いました。ですが、素手。

 

そしてキッチンペーパーを使ったということは、トイレに流せないということなのです。そのまますり潰されたカメムシをゴミ箱に捨てる気でいるのです。頭おかしいです。特殊で不快な臭いを発したり、何か別の虫が寄ってきたり、という二次災害の事を考えないのでしょうか。

 

トイレに流せばええやん、と気楽に言いますが、詰まったらどうする気か。しょうがないので、ビニール袋を三重くらいにしてゴミ箱に捨てました。それでも何かしらが生まれたり湧いたりして、ビニール袋を突き破ったらどうしようと思うと、私はおのれの平常心を保っていられません。

 

こうなるともう駄目です。嫌がる夫を説得し、ゴミ捨て場に持って行ってもらいました。そしてようやく私の心に平安が訪れ、夫は風呂とご飯にありつくことができました。素手でカメムシ退治を行ってしまったので、数日間はモモコに触れることはできません。あしからず。