タックルの真実

もうすぐラグビーワールドカップが開催するので、ラグビーといえば、のタックルを夫から習うことに。夫婦して何やってんだって話なのだが、暇なのでそれくらいしかやることがない。しょうがないのである。

 

タックル初心者がまず疑問に思うのが、自分の体のどの部分を相手の体のどの部分にぶつけにいったらいいのか、という事である。腰を落として、上半身をかがめて、腕は軽く広げて待ち構えている夫がここにぶつかって来い!と胸元辺りを示されたって、じゃあ自分のどこをぶつけたらいいのかよ、と思うのである。しかも、その待ち構えている姿勢が、また怖いのである。「私、殺られる」と思わずにいられない。

 

腰を落として、上半身をかがめて、腕は軽く広げ、顔は前を向いたまま、肩でぶつかっていき、相手を包み込む、的な事を言うのだが、やること多すぎやしませんか。それを全速力で走りながらやるっていうんだから、恐ろしいったらない。

 

いざタックルしようとすると、ある事に気づいた。顔の半分が相手の腕に擦りそうなのである。軽くさらっと、とかではなく思いっきり擦る。どうやっても絶対擦るようにできている。これ、やりすぎたら顔半分削れて薄くなっていくんじゃないか、と怖くなるくらい擦る。 

 

それがかなり不快なのであるが、顔の次にやって来るのが、相手とぶつかった時の全身に響く衝撃。脳震盪を起こすか、首をいわすか、の瀬戸際である。しかも、6%くらいしか力を出していないと思われるのに、なんですか物凄い衝撃は。

 

実際には、100キロの男と男が全速力でぶつかりあうとすると、本来なら人間壊れるんじゃないのか。なんでラグビー選手は合計80分間も100メートル×70メートルのフィールドを端から端まで走り、ぶつかりあい、ボールを後ろに投げるのか。イカレちゃったのか。

 

一回のタックルで私は悟った。夫がちょっとおかしいのは、きっと若かりし頃受けたタックルの数々のせいなのだと。来る日も来る日もタックルの恐怖心と戦ってたら、そりゃあんた、おかしくもなるわ。狂わなきゃやってられないわ、ラグビー。

 

タックルがなんたるかを、おのれの身をもって知った土曜の昼下がり。

 

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アディダスのラグビーワールドカップ記念(?)スカジャンを買った夫。今年中に着ないに500円かけます。