壮大な予定

なんでもう日が暮れているのだろう。私たちは壮大な予定を立てていたはずだ。壮大な予定を実行に移すどころか、まだ一歩も家を出ていないのに、いつのまに夜になってしまったのだろう。

 

数週間前、紅葉を見るがてら山登りに行こうと夫に誘われ、六甲山に行く予定をしていたのだ。山なんか辛いだけなのでちっとも登りたくはないが、数年前に高い金を払って買った登山グッズを少しでも使って元を取らねばという貧乏根性と、苦しい登山の後に待っている有馬温泉のせいで、イエスと答えてしまったのだった。

 

ところが、数週間後の今日、というか昨夜、疲れてるし寒いし山登りの気分でもなくなったからレンタカー借りてドライブに行こうという、なんともテンションの上がる提案が夫からなされた。深夜12時のことだった。もちろん賛成だ。朝8時に起きて、レンタカー屋さんに電話してドライブに行こうということで話はまとまり就寝。だが、紅葉盛りの土曜日の当日に連絡してレンタカーなんか借りられるわけがないのである。

 

だから、電車で京都に行って紅葉を見ようという話になったのではなかったか。その話をした後に二人揃って二度寝して、気が付いたら正午になっていたのは一体誰のいたずら?妖精?

 

最終的に、その店にしか置いていないらしい、夫が仕事で使う特別な工具を買いにサイクリングに行くことにした。今の時代、その店にしか置いてないなんて絶対嘘と思いながらも、必死に自転車をこぎ、大きなトラックに巻き込まれそうになったり、大きな車に幅寄せされたり、そのたびにショッカーみたいに「いいぃぃぃぃ」と雄たけびをあげて、私死ぬ、と覚悟した。

 

本来なら六甲山に登って、紅葉を眺めて、マイナスイオンを浴びて、頂上でヤッホーって言って、有馬温泉につかって極楽極楽って言って、充実した土曜日になるはずだったのに。なんで私は必死で自転車こいでんのか。死にそうになりながら。

 

f:id:momosjournal:20191207142632j:plain

夫の上腕二頭筋みたいなハムが届きました。おいしそうです。