根っからの嘘つき

我が家で喧嘩が始まると高確率で本籍地の話になる。結婚する前から本籍地の話でモメているのでかれこれ八年くらいモメている。夫の家族が代々登録している鹿児島のどこかの竹林を本籍地にしたい夫(義両親からの望み) VS 購入したマンションの住所を本籍地にしたい私。

 

昨夜もちょっとした喧嘩から本籍地の話に流れ、「律儀に本籍地を竹林のままにしてるのなんか次男でナメられてるアンタだけだよっ」と喧嘩を売ると、「じゃあ兄ちゃんに聞くわ、それで兄ちゃんが鹿児島にしてなかったら明日にでも本籍地変えてええで」と喧嘩を買ってきた。

 

だが、いざ聞くとなると、聞き方によっては義両親にまたグチグチ言われて嫌な思いをする可能性に怯えそうになる。そんな思いを夫に悟られぬよう「限りなくさりげなく聞いてよっ」とあくまでも強気の姿勢を崩さない。

 

「こんなこと聞くのにさりげないもクソもあるか」と夫は言う。それもそうかと思いつつ、夫と義兄との会話に耳をすませる。「兄ちゃんまだ鹿児島に本籍置いてる?置いてるんや、いや、パスポートの更新するのに本籍地書かなあかんから教えてもらおうと思ってな」

 

会話が終わり電話を切った夫が私に向かってドヤ顔で言った。「俺は根っからの嘘つきやから」

 

夫が表情を一つも変えず、声色も変えず、平気で嘘をついたことに、私はただただ無言で拍手を送った。見事だった。危うく惚れ直すところだった。

 

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最近コレにはまっている。スース―して気持ちいい。