灰色の土曜日

ぼちぼち友人とプール通いは続けていた。前は動くと死ぬみたいな生活だったけど、仕事をはじめて人並みに体力を使うようになったので、プールに行くのが億劫に感じていた。土曜日が来るのがつらいと水曜日くらいからブルーな気分に。

 

ヒマだったときは気分転換になるし、人と関わることも大切やから、と思ってホイホイ連れていかれていたけど、働き始めた今、私はまた社会の一員になったのでわざわざ休日に人に囲まれる必要はないのである。

 

こういうところでもやっぱり小心者というか、言いたいことが言えないので、こりゃ流されるまま行くしかないな、とあきらめていた。筋肉バカ夫にも、運動は絶対した方がいいから絶対断るな、とまで言われてしまったからもうどうすることもできない。

 

ところが、祈りが通じたのか神様が味方してくれたのか日ごろの行いがいいからなのか、ある土曜日、連れてってくれる友人が風邪を引き、キャンセルとなった。そして翌週はその風邪が全然治らないどころかひどくなる一方で、おまけに仕事にも追われ、もうしばらくプール無しで、と連絡が来た。

 

風邪の友人には申し訳ないが、どんよりとした灰色の日々が急に色づきはじめた。目覚まし時計をセットせず思う存分寝られることが確定。毎日がんばって生きていてよかった!思っていたよりも働く羽目になっているけどそんなことどうでもよく思えるくらい喜んでいることは友人には内緒である。

 

とウキウキしていたら、夫に「ほんなら走ってプールまで行ってしこたま泳ご」って誘われた。「(は?死んでも嫌だし無理。一人で行けよ。)また今度ね」と笑顔で答えた。

 

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夫にはもらい物のお菓子を一応あげておく。