貧乏の精が言うので

やらなければならないことを後回しにしたせいで、やることがてんこ盛りなこの日。夫を送り出したのは午前7時の事。さあまだたっぷり時間はある、朝ごはんを食べて掃除してTSUTAYAとホームセンターと図書館に行ってアイロンかけるのを午前中に終わらすのがこの日の目標だったのに、気が付いたら午後1時。何もやらずに6時間。何もやらずにというのは語弊がある、正しくはテレビを見ていて6時間。

 

くよくよしていても誰もやってくれないので、とりあえず先に外に出かける予定から済ますことにする。ホームセンターでラップやボディソープやら必要なものを買い、TSUTAYAへ。ここで急激な腹痛に襲われるもなんとか耐える。TSUTAYAや図書館に行くとたいていお腹が痛くなるのは私だけだろうか。

 

さあ図書館へ行こうとペダルをこぎ出したら、突然の振動と爆音が私を襲う。原因はそう、ラップだ。ラップが前輪に巻き込まれ、あられもない姿に。家に持って帰っても使えるかどうか分からないその姿に、近くのゴミ箱に捨ててしまおうかとの考えが頭をよぎる。何を言っておるのじゃ、全部がダメになったわけではないだろう、と私の頭の中で貧乏の精が言う。そう言われては反論できないので、何とかバッグに押し込んで図書館へ。

 

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図書館では意外に読書欲をそそる本をたくさん見つけてしまい、それもなんとかバッグに押し込む。残念ながらラップはバッグに入らないが、貧乏の精が持って帰れと言うので、バッグの上にラップを乗せることにする。

 

図書館にいる間に通り雨が降ったようだが、幸いにもハンカチを持っていたのでそれでサドルやハンドルをふいて帰路へつく。雨にも降られなかったしハンカチも持ってたし、ラップがずたずたになって悲しい気分だったけど、嫌なことのあとにはやっぱりいいことがあるんだなーと明るい気分になったのもつかの間。

 

バッグの上にちょこんと乗っていたラップはいつの間にか地面に叩きつけられ、私が気づいた時には道路の真ん中でトラックに轢かれていた。人の目を憚らずに「あああああああああ!!!」と叫んでいる私は周囲にはどう映っていただろうか。まるで飼い犬が轢かれたような反応になってしまったが、安心してください轢かれたのはラップ。

 

大事に持って帰ってちゃんと使ってあげる予定だったがトラックに轢かれてしまった今、持って帰ったところで使いものにはならない。ラップを放置してはいけないとは分かるが、道路のど真ん中の車の往来が激しいところで何度も繰り返し車に轢かれているラップを目の当たりにしたショックと、拾いに行こうものなら私が轢かれて死ぬだろうという思いで足がすくんでしまった。

 

貧乏の精が何かを語りかけてくることはもうなかった。