髪の毛事情が大変なことになっていることをご存知だろうか。

今、女子の髪の毛事情が大変なことになっていることをご存知だろうか。私は美容院に行くことが嫌いだ、なぜなら「行かなくてはいけない」からだ。「しなくてはならないこと」が嫌なのだ。だが、髪の毛の量がもう、吐くくらいものすごいので行かなくてはならないことが憎い。美容院に何の非もないのだが、そういった理由で美容院がたまらなく嫌いだ。

 

いろんな幻想(髪の毛一つで自分が可愛くなるという類)を抱いていた若かりし頃は、染めたりパーマ当てたりこまめに美容院に行き、自分で髪の毛を巻いたりしていたが、そんなものはただの幻想であることにしばらくして気づいた。そもそも多毛で癖毛かつセンスもなければアレンジなどができるはずもない不器用な人間に可愛い髪型がハマるわけはないのである。

 

その何とも手厳しい現実を受け入れてからは、出来るだけ美容院に行くという不毛な行為をなるべく減らすために、カラーをやめパーマをやめ、オーダーは「セットをしなくてもいいもしくは頑張らなくてもそれなりに見えるように」の一辺倒で今日までやってきた。

 

そんなおしゃれなヘアスタイルに無頓着で過ごしてきた私が気づいたのは、最近の女子の巻き髪事情がとんでもないことになっているということだ。私がまだ学生であったころも巻き髪はあった。とはいえ、名古屋巻きとか神戸巻きとかそんな程度である。

 

ところが今はどんなに巻き髪の種類増えたことか。たとえば、ゆる巻き、ゆるふわ巻き、ラフ巻きとかはまだなんとなく理解できる。以前のように、「あたし、髪巻きました!」みたいなのではなく、ゆるーい自然な癖毛みたいな(そんなもの本当は存在しないのに)感じとでもいおうか。

 

でも、ワンカール巻き、スパイラル巻き、波ウェーブ巻き、平巻き、ゆる波ウェーブ巻き、ツイスト巻き、ミックス巻きというのは、先程述べた「ゆる巻き」スタイルとは一体何がどう違うのか。例えば美容院でゆるふわ巻きをオーダーしたときと波ウェーブ巻きをオーダーしたとき、何がどう違うのかはっきり分かるものなのだろうか。

 

さらに不可解なあまり私の眉間に深く縦じわを刻んだのは、オーロラ巻き、色っぽ巻き、あざと巻き(変化球としてあざかわ巻き、あざとボブ巻き、超あざと巻きなどがある)、甘えんぼ巻き、一目惚れ巻き、といった、もう巻き髪のスタイルが何かを表現することをやめ、相手にどう見られるかを意識したネーミング。それでは、「甘えんぼ巻き」をしたら甘えんぼに見られるのだろうか。「一目惚れ巻き」をしたら街中の男から一目惚れされるのだろうか。そしてそれらの違いは何だ。

 

ここからさらにおかしな方向になっていく。さくらんぼ巻き、プレッツェル巻き、キャロット巻き、肉巻き、鉄板巻き、スヌーピー巻き、トイプードル巻き、ドリーム巻き。食べ物、キャラクター、動物、なんでも来い状態だ。今日は「プレッツェル巻きなの、どう?」って聞かれたら「美味しそーう♩」と答えるのが正解ということで合ってますでしょうか。

 

もう訳分からん極めつけが、バズり巻き、ルーティン巻き、習慣巻き、平成巻きなどである。このネーミングから一体どんな巻き髪なのか誰が想像出来るだろうか。ある一定の年齢に達すると聞こえなくなる音があるように、理解できないヘアスタイルがあるということなのだろうか。

 

令和巻きが登場するのも時間の問題だろう。今から楽しみでしかたがない。もしかしてもうあったりして。

 

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手乗りカヌレ

写真撮るって言ったら、手にのせて「どうぞ」って言われました。