十月の本

10月は全然本が読めなかった。それもこれもネットフリックスのせい。一日に36時間あればもっと本が読めるのになあ、と思いかけたが、少し考えれば時間が増えたら増えた分だけ寝てるだけだろうな、と思った私は、たぶん自分のことがよく分かってる。 

 

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①雪の女/レーナ・レヘトライネン

マリア・カッリオ・シリーズ邦訳第一作である本作は、実は第四作目にあたる。邦訳作品にはそういうことがままあることは知っているし、そういう場合、前作を読まなくても問題ない場合が多い。が、しかし。この作品は、前作を読んでいないと分からないことばっかりだ。夫も、同僚も、今までの経験も何もかも、前作との繋がりが今作に関係ありすぎる。どうなっとんねん、と何度口に出していったことか。「本作は、前作を読まないと分からない事柄が頻出しますので、それでも大丈夫だと思える人のみ手にとってください」とあらすじに書いておくべき。それでも読むからさ。なんなら続きも読むからさ。

 

②北海に消えた少女/ローネ・タイルス

デンマーク発、初邦訳の作家。ジャーナリストでこじらせ女子(というと急に薄っぺらく感じるのはなぜ・・・)の主人公ノラがイギリスとデンマークをまたにかけて、消えたデンマーク人の少女二人の謎を追う。正真正銘の一作目だと、驚かされることがなくていいですね、安心して読めることがこんなにもうれしいことだとは。次作が早く出ますように。

 

③夏のレプリカ/森博嗣

S&Mシリーズ第7作目。第6作目と同時期に起きた、杜萌(ともえ)という萌絵の友人に起きた事件。第6作目の奇数章と第7作目の偶数章を交互に読む、というのもおすすめらしい。二冊同時進行なんてそんなのは面倒なので、私はもちろん1作ずつ読むスタイルをとった。杜萌目線で物語が進み、杜萌目線で描かれる萌絵が新鮮である。S&Mシリーズも残りあと3作。作品が進むごとに厚くなる本・・・。勝負を挑まれているとしか思えない(誰に)?

 

④ワケありな本/沢辺有司

タイトル通り、ワケありで発禁になった本の紹介。それぞれの本がなぜ発禁になったか、当時の文化や思想、戦争が原因になったり、本が事件を引き起こしちゃったり、事件を元に本を作っちゃったり、偽造・ねつ造しちゃったり、猥褻すぎて怒られちゃったり、と様々な理由を教えてくれる。濃厚なウィキペディアを読んでいるようであった。他にもワケありシリーズとして、「ワケありな映画」と「ワケありな名画」というのもあるらしい。ウィキ好きにぜひおすすめしたい。