嫁を金で釣る

説得に応じない私に根負けし、結局一人で実家に帰ることにした夫。どうせ帰るならということで、義両親や甥たちが喜びそうなお土産を両手に携えている夫を見て、そこまでして家族を喜ばせたい夫の姿勢に感心する。お土産といっても、我が家にあった不要なものを処分してくれているわけなので、私をも喜ばせているのだった。

「お返しはお金でいいよ～」と送り出したところ、なんと義父と義母から「モモちゃんへ」と一万円ずつお年玉を頂く。金で釣ろうという魂胆に乗ってたまるか、という思いもない事はないが、お金に罪はなく、そして「それはそれこれはこれ」なので、有難く頂戴する。ファストフード店やファミレスなどで使える株主優待券をもらった夫は少し納得いかない様子だった。

お金をもらったのでお礼の電話をかけないわけにはいかず、電話をかけるとさっそく義母に「テンション低い声出しちゃって～。そんなに私と話したくなかったの～？」と本音が全く隠れていない冗談をかまされる。仮にも私が「そうなんです、よく分かりましたね」と正直に言ったらどういう展開になるのか考えた事があっての発言だろうか。

今度カマかけられたら言ってみるのもアリかもしれない。ちょっとだけワクワクする。

あと、お菓子もいっぱいくれた。私を太らせるための作戦であることは間違いない。ブタさんクッキーを見れば一目瞭然だ。