そうか、そうなのか。

今朝、洗おうと思ったらどことは言いませんが顔のムダ毛処理をしないと性別不明になってしまいそうな状況でしたので処理したんですけど、剃刀キャップが排水口に流れていった。なぜ排水口の蓋を付けていないのか、ということは別の機会に語るとして、とにかく頭がまだ覚醒していなかったので、しばらく呆然と眺めてから水を止めた後、「排水口 落下物 取り方」と調べたら「まず第一にすぐに水を止めること」とあって、もう時すでに遅しなのだった。

 
でもスマホの懐中電灯機能を駆使しながら排水口を覗くとキャップがぷかぷか浮いているのが見えたので、サルベージせねばと滑り止めの役目として輪ゴムをぐるぐる巻いた夫の箸を排水口に突っ込んでみるのだが、箸の使い方が普段からなっていない私にとれるはずもないのだった。
 
そんなことに時間をとられつつ外出する準備をし、家を出る前に五分ほど時間ができたのでもう一度サルベージを試みたところ、奥に引っかかっていることが判明しただけで救出には至らない。
 
夜、夫にサルベージ作戦を委任したところ、キャップも何もないという。そんな訳はない。だってキャップは引っかかっているのだから。頼りにならんわ、と憤慨して再度排水口を覗くとちゃんとキャップはあるのである。目をどこにつけているのか、である。
 
すると、抗議する私の目の前で夫は引き棒の金具を押した。するとどうだ、キャップだと思っていた物体が夫が押す金具に合わせて動くではないか。そう、私は力ずくでキックレバーをとろうとした頭のイカれた女。キャップはとっくの昔に排水管を流れてどこかへ行ってしまったことも知らずに。そうか。そうなのか、これが厄年なのか。