強く生きていかなければ

今日はスーパーが特売の日なので、仕事帰りにスーパーに寄って、米5キロから始まる牛乳、土物野菜などの重量級を中心に買って帰宅したところ、何かの禁断症状かのように、急に体が重怠くなり震えだした。

 

そんな症状が起こったとて休めないのが主婦である。こんな私でも一応主婦というカテゴリーに属していると認識しているので、日が落ちる前にベランダに干している洗濯物をしまっていたら、夫のスウェットパンツの股間部分に枯葉が付いていたので払うと、枯葉が予想だにしていない動きでもって私に向かってきたので近所迷惑という考えなど一切頭をよぎる隙なく絶叫した。窓が共鳴するくらいの声量で絶叫したもので、我に返ってから我が家で事件発生を疑われて警察呼ばれたらどうしようかとドキドキしたけど警察の方は来なかったので誰も通報してくれなかったみたい。私が本当に強盗に襲われて力の限り叫んだとしても助けてくれる人は誰一人としていないのだということがよく分かった。その前に迷惑行為で警察を呼ばれる可能性の方が高いかもしれない。強く生きていきたいと思う。蛾なんかに負けている場合ではない。それにしてもあんなに枯葉にそっくりの蛾を見たのは三十数年生きてきてはじめて。

 

そんなことより体はだるく重いし、腕の震えは止まらないので、きっと栄養が足りないのだ、と手あたり次第すぐに食べられそうなものを冷蔵庫から取り出し温めるものはレンジでチンして、焼いたりするものは焼いて食べた。そして鮭の炊き込みご飯とハムサンドと餃子という和洋中が見事に組み合わされた食事を食べ終えて、私はようやく自分の置かれた状況を理解した。体のだるさと重さと震えは重量級の買い物をして筋肉がおかしくなっているだけだと。普段動かない人間が頑張って体を使ったからびっくりしているだけだと。このようにしておのれの重量を増やしているのだと。

 

強く生きていかなければならないのになんだかポッキリ心が折れてしまいそうな気持ち。