馬鹿みたいな閃き

今はそうでもないが、「絶対無意味事件」が起こる前、私は夫のことを少し心配していた。というのも、泊まりで仕事をしていたある夜、途中で仮眠をとった夫が目を覚ますと足元に知らない男が立っていて目を逸らしたら殺される危険性があるのでじっと視線をかわし続けたり、蛆虫が体中をはい回っていて口の中にも入り込んできて床に吐き出したり、というような寝ぼけ症状に悩まされている、と聞かされたからだ。ちなみに足元に立っていたのはただの段ボールで、吐き出したのは蛆虫ではなくもちろんただの自分の唾で、暗がりの中掃除したとのことである。

 

これはもう、かなりやばいところまできている証拠ではないか。人間、疲労やストレスで悪夢は見ても、ちょっとやそっとじゃ寝ぼけて唾を床に吐いたりはしないだろう。どうやったら少しでも夫のストレスを軽くしてあげられるか私なりに考えた結果、夫が好きなドラゴンボール超ブロリーの映画を見せれば、悟空が戦う姿に元気をもらえるんじゃないかと閃いたのである。

 

 

加入しているNetflixでは配信していないので、一か八かでアマゾンプライムに加入してみたところ配信していることが分かり、さっそく夫に映画を見せた。今のところ寝ぼけて唾を吐く行為にはおよんでおらず、心なしか元気になったようだ。夫が単純なのと、間違いなく私の馬鹿みたいな閃きが功を奏したのだろう。こんな夫思いの天才的な妻を裏切ったことを今一度反省してほしい。

 

追伸 アマゾンプライムには私が見たかった海外ドラマがわんさかあって、夫よりも活用しています。

 

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