タイガーバームの女。

夫が筋トレに行った夜、腰が痛いと訴えてきた。これだから嫌なのだ、筋トレは。なぜ自ら進んで自分の大切な体を痛めつける?しかも腰痛はアカンのだ、クセになるから。そして夫という生き物は自分では何もしなくて、ただ悪化させるということが平気でできる。

 

腰を痛めたのなら何か塗るなり貼るなり対策をすればいいし、鼻水が止まらなくて頭痛がするならどう考えたってそんなの正常じゃないのだから病院に行けばいい。でも夫はそれをしない。でも腰が痛い頭が痛いと聞かされるのはうっとおしいし、鼻水をすする音を一生聞かされてはこっちがどうにかなってしまう。

 

そういう時はぐっと堪えて協力体制を敷かなくてはならん。つまり、夫が不調を訴えたら嫌かもしれないがぐっと堪えて(はい、ここポイント)何か塗ってあげるか、貼ってあげるか、薬を与えるか、病院へ付き添うかということをしなくてはならない。子どもか?そうだ、夫は大きな子どもだ。だが、そうすればこちら側の平安は保たれるのである。

 

というわけで、腰が痛いと訴えてきた日には、私の利き手の素手でタイガーバームを塗り込んでやった。なんて優しい妻なのだ。おかげで寝室は言うまでもなく、私の手がタイガーバーム臭くなった。俺はタイガーバームの匂い好きやで、タイのマッサージ屋にいるみたいって、お前の好き嫌いなど聞いとらんわ。そんなノスタルジーは求めとらんねん。どうしてくれる、私の手。

 

翌朝には鼻歌交じりでタイガーバームの女や、と私の事を指さした。なぜ、このときタイガーバームを選んだのか。普通の湿布を貼れば、私はタイガーバームの女になることはなかった。おかげで顔を洗ってもタイガーバーム、朝ごはんを食べてもタイガーバームだった。

 

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首肩用と書いてあるけど、どうせ腰に対しても効くやろ。