やつらとの闘い

通勤という行為はまさに戦いだ。私は今、人生初めての電車通勤をしている。今までの人生で電車通学や電車通勤を経験したことがなかった。電車で学校や会社にやってくる人たちがなぜ来るなりあんなに疲弊していたのかが、今なら理解できる。何なんだあの協調性のない殺気立った集団は。


今の職場だって出来ることなら歩いて行きたい。でも朝から一時間弱も歩いている時間はない。そんな時間があるなら私は寝る。朝活のために4時に起きると言う輩がいるらしいが、その時間帯は朝ではない、夜中だ。そこまでしたらさすがに不健康だろう、何事もやりすぎはよくない。


さて、職場の最寄駅について扉が開いたところから本当の戦いは始まる。我先にと足早に改札を目指している人々の行く手を阻むのはそう、歩きスマホ族たちだ。やつらはしぶとい。こぞって歩きが遅い。焦っている人たちに全く気付くことなく、朝からイヤホンをつけて動画やドラマを視聴し、インスタやマンガ、ネットの何かを読み、ゲームをしてやがる。


そんなスマホ族たちが知らず知らずのうちに三人も横並びになってみろ、もう牛歩だ。こっちは遅刻にならぬように一分一秒を争っているというのに、やつらの牛歩作戦のせいで前に進むことは叶わない。歩きながら見なくてはいけないほど緊急を要する大事なものがこの世にあるのか。賭けてもいいけど、そんなものは99.9%ない。それこそ朝活したらどうなんだ。

 

そんな戦場で役に立つのが背が高い人たちだ。奴らはすごい。その身体的特徴により、本人が知ってか知らずか、堂々とした威圧的な雰囲気を醸し出している。大きいものには歯向かうなという動物的本能により、人々は背の高い人を自然と避けることになる。そして背の高い人たちは戦場を悠々と歩けるということだ。さらにその長い足はゆったり歩いているように見えて一歩で進める距離が並みの人間の1.5倍だ。

 

その利点を私のような背の低い人間が利用しないわけにはいかない。電車の扉が開いたらすぐさま歩きスマホ族ではない長身の人間を探し、その人の後について改札まで歩く。ぶつかることもぶつかられることもなく、快適に人混みを進めるので実に効率的である。これぞ戦いを行く抜く極意だ。機会があればぜひ試してみて欲しい。

 

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職場でもらったパイナップルケーキ、の箱。バターがいい仕事してて美味だった。